2016年5月5日木曜日

EVERYDAY SONGBOOKS

 意識的にSNSと距離をおくここ数年は、時間を浪費せずにほどよくマイペースのネットサーフィンができているように思う。そんななか、毎月あたまのポストを楽しみにしているのが、ワールド・スタンダードのオフィシャル・サイト内の "EVERYDAY SONGBOOKS"。とくにこれといった説明もなく、目下愛聴中とおぼしき音盤のカヴァー・アートが10枚並ぶというしごく簡潔なエントリーながら、鈴木惣一朗さんのいまの気分やモードをじつに雄弁に語りかけてくるスグレモノだ。

 最新の5月ぶんは、やはりプリンスが10枚のうち3枚を占める。かつて殿下が例の記号に改名する直前の1994年、まるで墓標のごときアートワークで決めた "Come" を含むのは、さすがわかっていらっしゃる。当時惣一朗さんもどっぷり浸かっていたアンビエントやアシッドの潮流を捉え反映させた、90年代プリンス屈指の裏名盤だ。さらにジョニ・ミッチェル関連が2枚。たまたま自分もこの半年ほどゲフィン時代のジョニをよく聴いていたりするから、なんとなくニアミス感がうれしかったりしてね……と感想を述べたところで、当ブログを読んでいる奇特なかたならもうお気づきのように、先月末にポストしたひとつ前のエントリー 『2016年4月の10枚』は、なにを隠そう "EVERYDAY SONGBOOK" のぱくりなのだ(惣一朗さん、勝手に真似してごめんなさい)。以前も小西康陽さんのブログ記事『映画メモ・2013年』に影響され、一年間に劇場で観た映画をここに挙げ始めた犯歴があり、われながら盗っ人猛々しいったらありゃしない(小西さん、ごめんなさい)。

 プリンスの訃報が飛びこんだ4月22日の朝は、ちょうど前日が締切で雑誌編集部に送ったばかりだった最新CD "Hit n Run Phase Two" の寸評を修正せねばならず、ショックを受ける間もなく大慌てだった。そこから約2週間、ラジオをつければプリンスの曲が流れてくるし、不在のさみしさが染みてきそうで、いまだレコード/CD棚のパープルでペイズリーな一角には手が伸びない。『2016年4月の10枚』にプリンスが1枚もないのは、そんな状況の表れだ。お気にいり曲101選や年間チャートなど、これまでも音盤や映画のリストを楽しく挙げてきたけれど、こんなふうに新旧問わぬリアルタイムの愛聴盤をすなおに投影できる "EVERYDAY SONGBOOKS" は、思わず真似たくなる魅力的なコンセプトなのだった。秀逸なネーミングまで流用するのはさすがに気がひけるので、替りを考えるもどれもしっくりこないこと数ヶ月。しびれをきらして単に『○年×月の10枚』とした(妙案が浮かんだら変えよう)。また年間チャートからの流れを汲む一定期間の記録という意味あいで、月初めではなく月末にポストしようと思う。