2015年2月5日木曜日

2014年の落穂ひろい

 2015年もあっという間にひと月が過ぎ、イカした最新リリースがぼちぼち目についてうれしいかぎり。とはいえ、昨年のうちに入手できなかった2014年作品もまだまだいっぱいだ。本来ならば "BABY RECORDS' 2014 FAVES TOP 30" に入ってしかるべきだった優秀作もあるが、ジャケ裏に2014と記されているものを2015年ぶんにくり越すのは、どうにも気がすすまない。そこで年間チャート有力候補からこぼれ落ちてしまったお気にいり2014年産を、このタイミングで6タイトル(うち1タイトルは再発部門)ほどひろっておくよ。


FUNKADELIC / First Ya Gotta Shake The Gate (3CD)

 去年のうちに聴いていたならまちがいなくトップ30入りした鬼凄3枚組。とにかくどろどろぬめぬめと妖しく怪しく底知れぬファンク沼が、依然としてそこに鎮座ましましていることに感謝。しかも33曲もの大ヴォリュームをまるで飽きさせぬ驚異の現役感……というか時代超越感。スライじいさんからラップ/R&B畑のヤング世代、サンプリングで故エディ・ヘイズルまで動員した、汲めども尽きぬアイディアの宝庫なのだ。なかなかいっきに3時間27分とはいかないから、目下のんびり1枚ずつ浸っているところ。メロウ寄りのディスク1は意外や入眠時BGMにもぐあいよし。
 よくよく考えてみれば、ファンカデリックのスタジオ・アルバムを新譜として買ったのはこれが初。"By Way Of The Drum"(1989年) のときは先行シングルが出たっきりいったんお蔵入りでがっかりしたもの。プライマル・スクリームのボビーが参加した "Dope Dogs"(1996年)なんかもあったけど、あれはライヴ盤だし。ジョージ・クリントンの御大には、ぜひともこのつづきを聴かせてもらいたい。




HOMESHAKE / In The Shower (LP)

 去年のトップ30にはライラック&シャンペインの12インチ "MIdnight Features Vol.1: Shower Scene" を選んだけど、ここにも 'The Shower Scene' という曲が入っているもんね。深夜に熱いシャワーを浴びながら聴きたい脱力ゆるソウルなのよ、これがまた。どうやらマック・デマルコ人脈という、モントリオール青年ピーター・サーガー主導のプロジェクトのアルバム第2作。ぜんたいにザ・ステップキッズの曲をダブ・ナルコティック・サウンド・システムがカヴァーしたってな趣。一聴つたないようでいてじつはジャズ・ドラムの素養ありという、いい湯かげんなふにゃふにゃグルーヴがくせになるゾ。




JERRY PAPER / Big Pop For Chameleon World (LP)

 おそらく一部のナウいヤングに人気なのだろう。去る1月、前述のホームシェイクらといっしょに来日公演を行なったブルックリンの眼鏡小僧ジェリー・ペイパー。じつは春先にバンドキャンプで聴いた前作 "Feels Emotions" はとくにひっかからなかったから、こっちも素どおりしていたんだな。ところがどっこい、つかっている音色の質感のちがいでぐっときちゃった。どことなく¥EN・レコーズなオリエンタル風情ありの牧歌的AOR秀作なのさ。




SELAH SUE / Alone (CDEP)

 デビュー時はぴんとこなかったベルギーのセラ嬢。このディスコ路線はかなりよいじゃんと思ったら、なるほどロビン・ハニバルライクアドロン)がプロデューサーだもん。大手チェーン店フナック限定で出た10インチ・アナログ盤とのセットは即日完売とのことで、ときすでに遅し……。転売業者のプレミア価格に手が届くはずもなく、タワーレコード渋谷店4階の棚にかろうじて1枚あったCDEPをリピート中さ。ビコーズ・ミュージック発だから、3月リリース予定のアルバムはアナログ盤で手に入るかな。なんとなくだけど、ヴィデオの姿に『アメリカン・ハッスル』のジェニファー・ローレンスを連想したりして。




TOPE / Broke Boy Syndrome (CD)

 去年の時点でMP3は聴いていたけれど、バンドキャンプ経由で注文したCD版が届いたのは今年に入ってからでさ。リヴィング・プルーフなるラップ・デュオのことは知らぬまま、bmrのサイト内ホットスポットの記事で見つけた片われの初ソロ・アルバム。深く沈みこまず、かといって浮かれてもいない、ほどよくAOR心が混入されたぜんたい的ムードがなんとも馴染む。軽みあるとっぽさがよいね。トップ30入りしたDJ・クイック "The Midnight Life" と双璧をなす、2014年産ラップ 皿なのだ。




JORDAN DE LA SIERRA / Gymnosphere: Song Of The Rose (2CD)

 最後に“再発盤&発掘音源盤”部門を1タイトル。"BABY RECORDS' 2014 FAVES TOP 10 - Reissue and Unreleased" に2作も選んだヌメロ・グループ発だというのに、うっかり見逃していたのだから情けなや……。抹香くさそな先入観で敬遠しがちなニュー・エイジ・ミュージックの古典にも、たまんないお皿が潜んでいるんだなぁ。なんともリリカルなピアノの響きに心がほぐれる、1977年サンフランシスコ産。収録の4曲それぞれが20分以上におよぶ、ミニマルかつアンビエントな超快適静謐浮遊音楽集なのだ。たまたまYouTubeで発見した浜辺の映像にBGMとして重ねた動画があまりに心地よく、いてもたってもいられずタワーレコードのニュー・エイジ売場に走ったしだい。季節や時間帯を問わぬスグレものなれど、うだる真夏の室内に響かせたならこれまた格別にちがいなし。